一部をのぞいて、普段使っている35mmカメラは、レンズ光軸とフィルム面が直角に交差しています。 そのために、高いビルを撮影し場合には、ビルのてっぺんが見た目よりすぼまって写ります。これを見た目に近づけるためにどうするか。またカメラ位置をずらさないで、左右に動いて撮したかのような写真をとるには、どうするか。 このような時に、レンズの光軸やフィルム面をズラして(修正・矯正)して撮すための操作が、「アオリ」なのです。 また、大判カメラのレンズは、被写界深度が、非常に浅いため、パンフォーカスの写真を撮りたいときにも、アオリを使います。(パンフォーカス写真がいいということではありません) ※いろいろな本でも、同じなのですが、使用している画像は、わかりやすく見せているため、移動量を多くしています。実際面では、ティルトなどは、5度〜10度ぐらいのわずかの角度になります ※カメラは、スピグラを使って説明しております。前枠を動かしてアオリを使っていますが、後枠も動かせるビューカメラ等では、目的によって前枠・後枠を動かしてアオリを使います |
これらのアオリはごく初歩的なもので、ビューカメラに較べれば、<スイング> とバック部の動きが無いが、これだけあれば組み合わせていろいろに使える。 ☆これらを使うときにはレンズの光軸を常に意識すること。 中心付近は最もピントとコントラストが良いので、光軸がフイルムの中心に達するように注意する。 ただし、ライズ・フォール・シフトなどは、これをわざと外してゆがみ矯正するので その場合は別。したがって、イメージサークルが大きいレンズを必要とする。 |
<ベッドダウン> 焦点距離の短いレンズを使うときの「ケラレ」防止によく使われます ベッドが傾いた分だけ、レンズを「ティルト」します。これで、フィルムとレンズが平行になります。さらに、「ライズ」を使うと光軸がまっすぐになります。 ただし、一般にプレスタイプのカメラの技なので、組み立て暗箱などには、ついていないのが普通だ。 |