〜大判カメラ用のレンズ選び〜
この表は、35mmカメラのレンズと大判カメラ用のレンズの焦点距離を比較するための表です。 35mm判の小型カメラや、ブローニー判の中型カメラでは、画角と「包括角度」が同じでも実用上差し支えありませんが、アオリを使う大判カメラでは、この他に「包括角度」と「イメージサークル」を考えて、選択しないと「ケラレ」が生じることになります。 |
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レンズを選ぶとき、基本になるのが焦点距離です。35mm判やブローニー判を使ったことのある人が、大判カメラをはじめてみたいが・・という方のためのHPですから。レンズの明るさ(F値)や専門的な色再現性などは、重要な要素ではありますが、さらっと触れておくだけにします。 下の図は、レンズの焦点距離がフィルムに記録される被写体の大きさを決定するという特性を表しています。同じ被写体をカメラまでの距離を一定にした場合に、像の大きさを表したものです。 @ 焦点距離でレンズを選ぶ時は、取り付けるカメラの画面を考える 5×7判カメラの画面対角線は、208mmですから、標準レンズは210mmになります(実際は、画角40°〜60°の範囲が標準レンズと呼ばれています) このゴナナ判の210mmの標準レンズをシノゴ判のカメラに付けると画角40°の中望遠レンズになります。 同一焦点距離のレンズでも大判カメラの画面(ピントグラス面・フィルム面)サイズが変わると、写る範囲(画角)が変わるということです。 このように、大判レンズの選択は、レンズを取り付けるカメラの画面サイズからレンズの焦点距離を選ぶことになります。 A焦点距離で、レンズを選んだら次は「包括角度」と「イメージサークル」を考えます レンズは、光軸に直角に結像します(崩すことをアオリといいます)が、中心部から周辺部がに行くほど、鮮明さと光量の低下がおきます。 このレンズが写し出した被写体良像(鮮明に写る像)の範囲を「レンズの中心から見込んだ角度を包括角度」といいます。また「イメージサークルは、良像の範囲の大きさを直径で表したもの」です。レンズ選択のポイントになっています。 イメージサークルは、近距離撮影でレンズの繰り出し量が大きくなると大きくなり、絞り値を絞り込むことでも大きくなっていきます。カタログでは、無限遠でF22に絞ったときの値になっています。 シノゴのフィルムの画面対角線長は、152mmですから、152mm以下のイメージサークルでは使えないということになります。 B フランジバックを考える B、例として、シノゴ判で使える標準レンズを探す 大判レンズメーカーの「コンゴー・レンズ」のスペックデータから、シノゴ用に使える標準レンズを探してみることにします。シノゴで使う標準レンズとしての条件は・・・ @ 標準レンズとは、焦点距離が画面対角線長にほぼ等しく、画角が40〜60°のレンズが「標準レンズ」と呼ばれています。 ※「コマーシャル・コンゴー150mm、180mm、210mm」が良さそうです。180mmがシノゴ判の標準レンズと呼ばれているので、150mmと210mmは、準標準レンズです A アオリを使わない35mmカメラや、中判カメラのレンズであれば、画角と包括角度は、同じであっても不都合はありませんが、アオリを使う大判カメラのレンズは、アオリを使うために、画角よりも包括角度が大きくなければなりません。 ※180mmの画角は、46°ですから、包括角度は、これ以上大きくなければなりません。 Bイメージサークルが、153mm以上 ということで、探せばよいということです。 ※大きければ大きいほど良いというわけでもありません。レンズが大きくなれば重さも 重くなります。値段も高くなります。将来的にエイトバイテンでも使うとなれば、イメージサークルの大きなレンズを選べばいいのですが、シノゴの180mmは、エイトバイテンでは広角レンズになりますから、バイテンの標準レンズとはなりません。 Cレンズの明るさは、明るい方がいいですが、ピントグラスは、冠布(カンプ)をかぶってルーペで覗くので、暗いレンズでも、不都合はさほど感じません。 以上35mmカメラレンズとの大きな違いについてのみ、書いてみました。参考になれば幸いです |